『花の慶次 ―雲のかなたに―』は1989年の『週刊少年ジャンプ』(集英社)読み切りから始まり、1990年から1993年まで連載された人気漫画。発行部数は2,300万部を超えています。
大人気だった『北斗の拳』の次回作に悩んでいた原哲夫が、隆慶一郎の歴史小説『一夢庵風流記』に感銘を受け、戦国時代を傾奇者(かぶきもの)として駆け抜けた前田慶次を主人公にした漫画を思いついたそうです。
連載開始から約30年を迎える今もアミューズメント界などで人気の『花の慶次』。豪快な主人公・慶次や登場人物たちの名言、作品全体の魅力を解説します。
漫画『花の慶次 』その作品と世界観

©隆慶一郎・原哲夫・麻生未央/コアミックス 1990
ジャンプ・コミックス版は全18巻発行され、他にも完全版や文庫版、コンビニコミックス、電子コミックスなどで幅広く読まれています。
『義風堂々!!』シリーズや『花の慶次 かぶき旅』など関連作品も発表されており、現在でも大人気のシリーズです。
漫画『花の慶次-雲のかなたに-』のあらすじ
加賀藩を脱藩した慶次は、多くの武将・強敵や魅力的な女性と出会います。豊臣秀吉・直江兼続・伊達政宗・真田幸村などの有名武将と戦い、ぶつかり合い、ときに心を通わせていきます。
「いくさ人」として死と隣り合わせの人生を駆け抜けた慶次の、優しさと漢気にあふれた一代記です。
『花の慶次』の時代背景

©隆慶一郎・原哲夫・麻生未央/コアミックス 1990
前田慶次は「織田四天王」の一人、滝川一益の一族として生まれたとされています。その後、加賀藩当主・前田利家の兄・前田利久の養子となります。
義理の叔父である利家は多くの人に愛される慶次を自身の立場を危うくする存在として嫉妬し恐れていました。利久の死後、慶次は加賀を脱藩し、京へと赴きます。
『花の慶次』の物語は「本能寺の変」以降、「関ケ原の戦い」の頃まで描かれます。
傾奇者(かぶきもの)とは

©隆慶一郎・原哲夫・麻生未央/コアミックス 1990
天下一の傾奇者である前田慶次は、自由を愛し、自身の信じる「美学」に命を懸けていたのです。
広がる慶次ワールド
関連作品の『前田慶次 かぶき旅』(原作/原哲夫・堀江信彦、作画/出口真人)は、2022年6月現在『月刊コミックゼノン』(コアミックス)で好評連載中。
関ケ原の合戦の1年後を舞台に、各地の戦国武将をめぐる慶次の旅模様が描かれています。
また、2007年には『CR花の慶次-雲のかなたに~』がリリースされ大ヒット。他にも慶次最期の地・米沢の老舗酒造で純米大吟醸の販売や、2011年の400回忌に合わせてオリジナルフレーム切手が販売。
漫画の枠を超えたヒーローとしてファンを魅了し続けています。
漫画『花の慶次』の登場人物と名言集
前田慶次

©隆慶一郎・原哲夫・麻生未央/コアミックス 1990
加賀藩主・前田利家の甥であり、身の丈六尺五寸(約197cm)以上を超える大柄な武士。
自由奔放な傾奇者で、いくさ好き。鎧すら叩き割るほどの力強さと太刀の速さを誇る。一方で旅日記を書く、千利休と交流するといった風流な一面も持つ。愛馬は「悪魔の馬」と呼ばれた巨馬・松風。
伊達政宗

©隆慶一郎・原哲夫・麻生未央/コアミックス 1990
野心に燃える一方で、伊達家の事情に頭を悩ませている。若さゆえか、プライドが高い一面と子供のような一面を併せ持っている。
真田幸村

©隆慶一郎・原哲夫・麻生未央/コアミックス 1990
真っ直ぐな性格は慶次や豊臣秀吉に好まれている。のちに徳川家康に「日の本(ひのもと)一の兵」と恐れられた。漫画版のみに登場するキャラクター。
奥村助右衛門

©隆慶一郎・原哲夫・麻生未央/コアミックス 1990
18歳の頃に慶次の義父・前田利久の城・荒子城の留守を守る城代家老を務めた。知略と剛勇さを併せ持つ傑物。
直江兼続

©隆慶一郎・原哲夫・麻生未央/コアミックス 1990
上杉家の武将の1人で、秀吉も配下に欲しがるほどの人物。史実と同様、兜の前立てに「愛」の文字を施している。
捨丸
弟を松風に殺されたため慶次の命を狙うが、慶次の人柄に惚れ込み仕えることに。炸裂弾や手裏剣で戦う。
岩兵衛
鬼のような顔で読心術と並外れた力を持つが、実際は心優しい人物。おふうを連れ戻すために慶次の命を狙うが、慶次の人柄に惚れ家来に。漫画版オリジナルキャラクター。
おふう
耳そぎ願鬼坊にさらわれたところを慶次と出会い、行動を共にすることに。しっかり者で、慶次に淡い恋心を抱いている。
松風
巨大な漆黒の美しい姿と一蹴りで人を殺すほどの並外れた力に慶次は惚れ込み、10日間かけて心を通わせた。
おまつ
可憐な容姿とは裏腹に豪胆で、利家を陰ひなたとなって支える女丈夫。幼い頃より慶次が想いを寄せている。
豊臣秀吉
慶次と謁見後は傾奇者としての心意気に惚れ込み、「傾奇御免」の免状と名馬・野風を授けた。
前田利家
かつては「槍の又左」と称される名将だったが、年とともに卑屈で器量の小さい人物となってしまった。慶次の人柄に嫉妬し恐れている。
花の慶次の名言集
「だがそれがいい その傷がいい! これこそ生涯をかけ殿を守り通した忠義の甲冑ではござらんか!!」
「褌(ふんどし)だけはいつもきれいにしておけ」
「虎はなにゆえ強いと思う? もともと強いからよ」
「人間(ひと)には触れちゃならん傷みがあるんだ!! 其処に触れたら後は生命のやり取りしか残らんのだ!!」
「これより我ら修羅に入る!!」
「ほれた! 腹の底からほれたぞ!!」
まとめ
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