テンプリズム
世界は、東の大陸にある小国「骨の国」が
技術開発による大きな力を得たことから歪み始めた。
「骨の国」は圧倒的な武力をもって世界の国々を侵攻。
主人公であるツナシも幼い頃に故国・カランを追われ、
国民たちは散り散りになりながら
どうにか生きのびている有様だ。
ツナシは旧カラン王国の第110代王子。
生まれたときから外れたことのない
眼帯に覆われた右目には
“救世主”となり得る力が宿されている。
戦闘力を磨く訓練よりも読書を好むツナシは
カラン王国を再建することに前向きではなかった。
しかし、家臣・ユイの命懸けの策略によって
秘めた能力が解放されたときーー
ツナシは伝説の「光の剣士(オロメテオール)」として覚醒。
運命を受けいれ、打倒「骨の国」に立ち上がる!
「骨の国」が強大な勢力を誇る秘密は、
「ライタイト」なる石の開発にあった。
ライタイトはエネルギーを生み出す石で、
「機械兵」の活力源でもある。
底知れぬ力を放つライタイトの謎とは。
「骨の国」が抱く最終的な野望とは。
そして、ツナシは能力者として…いち人間として
どのように世界に向かっていくのか。
広い空が開ける大自然の中、
テクノロジーと魔術的な秘力が同居する世界観は
子どもの頃、“冒険物語”に夢中になった
あの昂揚感をもたらしてくれる。
一方で建築物や衣装には、アジアや中世ヨーロッパ風のデザインが混在。
隅々まで魅せるバトルを彩る舞台装置にも注目だ。
<文・粟生こずえ>
マンガ・児童書分野を中心とする編集者&ライター。宝島社「このマンガがすごい!」のメインライター。
高円寺「円盤」にてブックトークイベント「四度の飯と本が好き」毎月第2水曜日開催中。
ブログ「ド少女文庫」(http://ameblo.jp/doshoujobunko/)